先日東京のクリニックで、全身検査を受けましたが、口腔・腸内フローラ検査が出ました。
その結果、私の口腔内には「プレボテラ菌属」という、俗にいう「肥満菌」と呼ばれる菌が健常人のおよそ6.5倍の数で検出されました。

この結果に驚き、「肥満菌とは何だろう?」という疑問が湧きました。調べていくうちに、この菌に対する認識が大きく変わり、驚くべき事実が明らかになりました。
プレボテラ菌の本来の役割と誤解
プレボテラ菌属は腸内では「日和見菌」として知られ、通常は無害ですが、過剰に増えると肥満の原因になると長らく信じられてきました。
特に高脂肪・高糖質の食生活がプレボテラ菌の増加を助長すると考えられていましたし、クリニックでも増えすぎるのは、心筋梗塞や脳卒中など重大な病気を引き起こす原因にもなるので気をつけた方がいいと警告をされたのです。
しかし、最新の研究では、この菌が決して悪者ではなく、むしろ私たちの健康に重要な役割を果たしている可能性が示唆されています。
日本人の腸内細菌叢とプレボテラ菌の関係
日本人の腸内細菌叢は、欧米人とは異なる特徴を持っています。特に、日本の伝統的な食生活に適応した「プレボテラ菌」は、玄米や雑穀などを主食とする日本人の食生活によって育まれてきました。これまで「肥満菌」とされていたこの菌が、実際には日本人の健康と長寿に寄与する「長寿菌」である可能性が高いことが分かってきたのです。
プレボテラ菌の働き:短鎖脂肪酸の生成と腸内環境の整備
プレボテラ菌は、炭水化物、特に食物繊維を分解し、短鎖脂肪酸を生成します。
短鎖脂肪酸は、腸内のpHを適正に保ち、病原菌の増殖を抑制するほか、腸内環境を整える重要な働きをします。さらに、短鎖脂肪酸は腸壁のエネルギー源となり、腸管バリア機能を強化し、炎症を抑える効果もあります。
このように、プレボテラ菌の活動は、腸内の健康維持に直結しており、日本人の長寿を支える一因となっているのです。
慶應義塾大学による百寿者の研究とプレボテラ菌の関連性

腸内細菌についてのご著書が多い、慶應義塾大学医学部の伊藤裕教授による研究では、百寿者の腸内にプレボテラ菌を多く含む多様な腸内細菌が豊富に存在しており、これが低い炎症レベルに関連していることが明らかになっていると言います。
プレボテラ菌が生成する短鎖脂肪酸は、炎症を抑え、腸内環境を健全に保つ役割を果たしていると考えられ、これが百寿者の健康と長寿の秘訣である可能性が高いのです。
NHKのクローズアップ現代で紹介されたプレボテラ菌の重要性

また、2022年6月に放送されたNHKのクローズアップ現代「腸内細菌知られざるパワー」という特集が組まれ、プレボテラ菌の重要性が取り上げられました。
この特集では、日本人の腸内細菌を1,800人分調べた、最新のAI解析でAからEの5タイプに分け、どのタイプが一番長寿だったかという内容でした。
Type A:高タンパク・高脂質食
Type B:バランスの良い食事
Type C:炭水化物過多、偏った食事
Type D:高タンパク高脂質、漬物少ない、マヨネーズ多い
Type E:野菜多い、魚多い、バランスの良い食事

その結果、「Type E」と分類された人々が最も健康であり、病気のリスクが低いことが分かりました。このタイプは、見ていただくとわかるように、プレボテラ菌属の割合が圧倒的に高い人たちです。
そして、次に病気のリスクが低いとされたのは、Type Bの人たちだということです。いろんな食事をバランスよく摂取している人たちですが、Type E は日本人独特の食生活をしている長寿群だとしたら、Type B は現代風の食べ物をいろいろとバランスよく食事をされているタイプの人たちだと言っていました。
一方で、最も多くの病気と関連性が高いという結果が出たのが、Type Aでした。このType Aに振り分けられた人の中で、糖尿病、高血圧だった人の割合は、Type Eと比較した場合、糖尿病は12.5倍、高血圧は11倍多かったということが分かりました。
欧米型の食生活と日本型の食生活の違い
欧米型の食生活では、肉類や乳製品が中心となり、それに適応した腸内細菌が多く存在します。一方で、日本人の腸内には玄米や雑穀などを主食とする伝統的な食生活に適応したプレボテラ菌が多く存在しています。プレボテラ菌は植物性の食物繊維を多く摂取することで活性化し、腸内環境を整え、病気の予防につながると考えられています。
現在の食生活とプレボテラ菌の関係
私自身、最近続けている玄米食や味噌汁、納豆、梅干し、漬物、豆乳ヨーグルトなどが、プレボテラ菌の活性化に大いに貢献しているんだろうと思いました。これらの食品は、プレボテラ菌のエサとなる食物繊維を豊富に含んでおり、腸内環境の改善と健康維持に寄与しているのです。
NHKの番組でも、プレボテラ菌を活性化させるためには、特に玄米や雑穀、野菜、発酵食品などを積極的に摂取することが推奨されていました。これらの食品は、腸内環境を整えるだけでなく、健康維持や長寿にも寄与する可能性が高いのです。
プレボテラ菌:肥満菌から長寿菌への再評価
プレボテラ菌は、かつて「肥満菌」として恐れられていましたが、日本人にとってはむしろ病気を予防し、健康を支える「長寿菌」であると再評価されています。
特に日本の伝統的な玄米、味噌汁、漬物のような食生活が、この菌の活性化において重要な役割を果たしており、これが日本人の長寿を支える一因であると考えられます。
健康長寿を目指すため食生活を見直そう!
現代の食生活が欧米化する中で、プレボテラ菌を活性化するための食生活を見直すことが、健康長寿の鍵となるのです。
肥満菌とされてきたプレボテラ菌が、実は日本人にとっては長寿菌であるという新たな視点から、私たちの食生活を見直し、健康と長寿をサポートする食事を積極的に取り入れていきましょう。
まとめ
プレボテラ菌は、最新の研究によって肥満菌ではなく、むしろ日本人の健康を支える重要な長寿菌である可能性が高いことが示されています。特に、玄米や雑穀、野菜、発酵食品などの伝統的な日本食が、この菌の活性化に重要な役割を果たしています。
小恰好商店でも、信州の3年味噌、龍神村の3年梅干しや有機梅干し、混ぜなくていい竹糠床、簡単に豆乳ヨーグルトが作れるマイグルトなど、現代の食生活の中で取り入れやすい商品をラインナップしています。ぜひサイトをチェックして、一緒にプレボテラ菌を増やし、健康と長寿をサポートするための食事を積極的に取り入れましょう!

コメント